

1歳から始まる「まねる・わかる・伝える」英語との出会い


1〜2歳は言葉の芽が育つとき 「聞く・まねる・話す」のすべてが遊びになる黄金期

ことばの世界が一気に広がるタイミング
1歳〜2歳は、赤ちゃんにとって「言葉」がぐっと増えていく時期です。
ことばのコラム03「赤ちゃんが最初に出会う英語のかたち(6か月〜1歳)」で触れたように、生後半年ほどで周囲の言語に耳を傾け、自ら声を出し始める赤ちゃんたち。
その成長は1歳をすぎるとさらに加速し、意味のある単語を話し始めたり、大人の言葉を真似するようになります。
この「言葉が出てくる時期」は、日本語と英語の両方を自然に取り入れる絶好のタイミングです。
たとえば、日常のあいさつ「Good morning!」や、好きな食べ物の名前「Banana」など、生活に密着した言葉を遊びの中で繰り返すことで、子どもたちは自然と英語に親しみ、自分の言葉として取り込んでいきます。
シーン | 英語のことば | 子どもの反応 |
---|---|---|
起き抜けのあいさつ | Hello! | にっこり笑って反応 |
食べ物の名前 | Banana, Apple | 見つけてうれしそうに発語 |
絵本での動物の名前 | Lion, Elephant | 指さしてまねっこ |
おままごとでのやりとり | Would you like…? | Yes!と返事してごっこ遊び |
外遊び(シャボン玉) | Big bubble! | 走りながら叫ぶ |
家庭で自然に英語を取り入れることで育つ、柔軟な言語感覚 「日本語も英語も」当たり前に共存できる日常

日本語との“共存”は自然にできる
「まずは日本語をしっかりと」と心配される方も多いかもしれませんが、日本語の環境で暮らしている限り、日本語が後退することはありません。
それよりも、英語と日本語の両方にふれることで、ことばそのものへの柔軟性や表現の幅が広がっていきます。
英語の発音やリズム、イントネーションを「遊びながら」学べるのはこの時期ならでは。無理に覚えさせる必要はなく、「まねっこ」や「やりとり」を通して自然に身についていきます。
遊び・生活のすべてが英語とふれあうチャンスに ケーバイエヌの現場から:ナニーとの英語時間

日本語との“共存”は自然にできる
ここでは、実際にケーバイエヌのナニーが担当した1歳のお子さまとの保育の一部をご紹介します。
ご紹介するすべてのやりとりは英語で行われており、日常の中で自然に英語を使う様子が見られました。
ケーバイエヌでの実際のエピソードより

(こんにちは!よく眠れた?)
(よく寝た)

少し緊張している様子でしたが、英語での絵本の読み聞かせや動物の名前あてゲームをしてみよう!

(みて!ライオンだよ)
(ライオンだ!)

このあと、自分から “Elephant!” とページをめくるなど、自発的なやりとりも見られました。
おむつ替えのときには、カーテンの陰にかくれてしまって……

(終わったかな?)
の問いかけにふわっと笑いながら出てきてくれたり、「言葉の意味」と「行動」が結びついている様子が伺えます。
遊びの中では、お気に入りのミニカーで


などの簡単な表現を繰り返しており、英語の音やリズムがしっかりと身体に入ってきている印象を受けました。

(ニンジンはいかが?)

そうして自分でお皿に乗せる仕草をするなど、遊びの中で自然なやりとりが広がっていきました。
シャボン玉を追いかけながら



と声を出し、ナニーと一緒に英語のフレーズを楽しむ様子も見られました。
また、風の音に耳を傾けて……

(風…つめたい!)
とつぶやくなど、感じたことを英語で表現する芽が少しずつ見えてきます。

(あなたの鼻はどこ?)
という問いかけに、自分の鼻を指さして笑顔に。そして次第に……


と体のパーツを言いながら一緒にジェスチャーをつけることで、英語の単語が体感と結びついていることが感じられました。

(これは何?)


と答えるようになり、自信をもって発話する姿が見られました。
正解するとハイタッチ!

と笑顔で返すことで、英語でのコミュニケーションが楽しいという感覚が育まれていきます。
「教える」よりも「一緒にすごす」ことで育つ ことばがひらく、小さな英語の扉

英語を「教える」のではなく、「一緒に過ごす言語」として使うことで、子どもたちは英語を自然に吸収していきます。
この時期に大切なのは、「意味がわからなくても大丈夫」という安心感と、「英語って楽しい!」という気持ちです。
ナニーと一緒に過ごす中で、英語は“教えられるもの”ではなく、“自然と出てくるもの”として身についていきます。
ケーバイエヌでは、そうした経験が積み重なっていく日常を大切にしています。
ことばがひらく、小さな英語の扉。親子で、そしてナニーと一緒に、その扉をやさしく開けてみませんか?
コラムの内容についてもっと詳しく知りたい方へ参考資料
- Kuhl, P. K. (2004).
Early language acquisition: Cracking the speech code.
Nature Reviews Neuroscience, 5(11), 831–843.
日本語説明: 乳幼児の音声認識と社会的相互作用が言語習得に与える影響を、神経科学の観点から解説。:contentReference[oaicite:1]{index=1} - Werker, J. F., & Byers‑Heinlein, K. (2008).
Bilingualism in infancy: First steps in perception and comprehension.
Trends in Cognitive Sciences, 12(4), 144–151.
日本語説明: バイリンガル乳児が音声を識別・分離し、二言語を並行して習得する初期段階のメカニズムを解説。:contentReference[oaicite:2]{index=2} - 大津由紀雄(2002)『ことばの発達の謎を解く』講談社
日本語説明: 乳幼児の言語発達を、認知言語学と発達科学の視点で分かりやすくまとめた一冊(ネット上での全文リンクは未確認)。